明宝の取り組み~明宝小学校での生ごみ堆肥づくり~

明宝小学校では、6年生の総合学習を「完熟堆肥づくりを通した資源循環教育」と位置づけ、環境学習に取り組んでいます。

今年度で3年目を迎えたこの活動では、生ごみを活用した完熟堆肥づくりを通して、地球環境や地域環境について学びながら、自分たちにできる行動を考え、実践しています。さらに今年度は、「どうやったら地域に広められるか」をテーマに、子どもたち自身がアイデアを出し合う段階へと発展しています。

堆肥づくりでは、明宝地域協議会のメンバーを中心に、地域でコンポストに参加してくださっている方々、給食の残渣、子どもたちが家庭から持ち寄った生ごみを活用しています。今年は明宝保育園にもご協力いただき、園児たちもコンポストに生ごみを入れる活動に参加しました。集まった生ごみは、みんなで二次処理を行います。


二次処理の過程

二次処理とは、一次処理した資材に壁土と米ぬかを混ぜ合わせ、約4カ月かけて生ごみを発酵・分解させていく工程です。

仕込みから1カ月間は、水分調整と切り返しを繰り返しながら空気を送り込み、温度を60℃以上に保ちます。こうすることで病原菌や雑草の種子、害虫などが死滅し、安心して使える完熟堆肥へと近づいていきます。

最初は独特の発酵のにおいに戸惑い、作業に参加できなかった子どもたちもいました。それでも声を掛け合いながら、「これならできるよ」と自分の役割を見つけ、少しずつ切り返しに加わっていきました。

最後の切り返しの日には、全員が自然と集まり、気づけばあっという間に作業が終了。堆肥が熟していくのと同時に、子どもたちの様子も確かに変わっていく様子が印象的でした。


品質チェック

「完熟」とは、有機物が十分に分解された状態のことを指します。堆肥が本当に完熟しているかを確かめるために行うのが、「瓶チェック」です。

瓶チェックは、瓶に堆肥と水を入れて密閉し、約10日間置いたあと、ふたを開けたときのにおいで腐敗の有無を判断する方法。腐敗していれば強いアンモニア臭がしますが、完熟していれば嫌なにおいはしません。

そして迎えた、ふたを開ける瞬間――みんなで息を止めて確認します。

結果は……腐敗臭なし!
無事、完熟堆肥の合格です。


完成した完熟堆肥はどうする?

完熟堆肥は、使ってこそ資源の循環の輪が完成します。完成した堆肥を地域の人に使ってもらうために、子どもたちはアイデアを出し合い、ロゴを考えたり、説明書を作ったりしました。

さらに、低学年の子どもたちへ堆肥をプレゼントし、校内の畑で活用してもらう予定です。春には明宝マルシェでの販売も計画しています。


子どもたちの声

  • 「何回も切り返しをして大変だった」
  • 「ゴミになる生ごみが堆肥として利用できるようになるんだと思った」
  • 「みんなでするのが楽しかった」
  • 「堆肥を作る大変さを感じた」
  • 「臭かった」
  • 「堆肥で世界を救う」

など、さまざまな感想が寄せられました。

最初は臭いが気になって作業に参加できなかった子どもたちも、分解が進むにつれて悪臭がなくなり、最終的には全員で協力して切り返しができるようになりました。堆肥とともに子どもたちも変化していく様子が、とても印象的でした。


小さなアクションからでも変化は起こせる

学習発表会では、子どもたちがこの取り組みを通して学んだことや、「自分たちにも地域や環境を変える力がある」という気づきを発表しました。日々の小さな行動が、未来の環境を守る大きな一歩につながる――そんなメッセージが、会場いっぱいに伝わっていました。

苗づくりのための「培養土」づくり

三重県で有機野菜やオーガニックフラワーを栽培し、堆肥づくりの技術指導も行っている農業の匠・橋本力男さんから、「培養土づくり」について学びました。

苗づくりにおいて、培養土は単なる“土”ではありません。有機育苗の出来の約80%は培養土で決まるとも言われてるそうです。

培養土の品質は、そのまま苗の品質に直結し、さらにその後の作物の生育や収量、品質にまで大きく影響します。つまり、良い作物を育てるためのスタートは、この培養土づくりにあるのです。


良い培養土の条件

橋本さんから教わった、培養土づくりで大切なポイントは次の通りです。

  • 病原菌・雑草種子・害虫を含まないこと(最も重要)
  • 水はけが良く、かつ水持ちも良いこと
  • 空気を含み、灌水を繰り返しても固くならないこと
  • 適度な養分があり、肥料切れを起こさないこと
  • 軽くて扱いやすいこと
  • 材料が安定して手に入ること

基本の配合

今回教えていただいた培養土の配合は以下の通りです。

  • バーク堆肥 2
  • もみ殻堆肥 2
  • 持ち場堆肥 1
  • 土ぼかし 2
  • 山砂 1
  • パーライト 0.5
  • バーミキュライト 0.3
  • 麦飯石 0.02

複数の堆肥を組み合わせることで、多様な微生物環境とバランスの取れた土壌がつくられます。


混合方法のポイント

培養土づくりでは、「どう混ぜるか」も品質を左右します。

軽い資材から順に重ねていき、最後に一度だけ混合する
混ぜすぎないことが重要です。
特にパーライト、バーミキュライト、鹿沼土は踏むと潰れやすいため、最後に加えます。

山積みにしてカバーし、7〜10日ほど置く
カーペットなどで覆い、一定期間なじませます。
その後、ふるいにかけてから使用します。
ふるうことで培養土の粒が整い、空隙のバランスが良くなります。


学びを通して

培養土づくりには、さまざまな種類の堆肥が必要になります。だからこそ、その堆肥づくりにも挑戦していきたいと感じました。

使う材料の多くは地域で手に入るものです。この土地に合った培養土を自分たちでつくることで、より強い苗が育ち、結果としておいしい作物へとつながっていくはずです。

今回の学びを、これからの実践に活かしていきたいと思います!