12月の森の開放日~昔ながらの餅つき会~

今年も終わりが近づいてきた師走。12月の森の開放日は、古民家・源右衛門(二間手)で、収穫したもち米を感謝し、自分たちでついていただく昔ながらのお餅つき会を行いました。

まずは外のかまどに火を起こし、蒸し器でもち米を炊いていきます。もち米が炊けた後は速さ勝負!炊き立てももち米を木の臼と杵を使って「そーれ、そーれ」と掛け声をかけながら素早くついていきます。子供たちも重たい杵を大人と一緒に持ち上げ滑らかになるまで叩きました。

つき上がったもち米はこれまた素早く小さく丸めて、あんこ、きな粉、しょうゆなどと絡めて完成。 できたてのお餅は温かくそして柔らかく格別なものでした。

子どもたちは餅が完成すると一目散に集まってお餅をほおばり、お腹いっぱいになるとそれぞれ思い思いに遊び、大人たちは会話を楽しみながらお餅を食べたり鏡餅を作ったりしました。

昔はどの家庭でもお餅をついたそうですが、最近では各家庭で行うことは少なくなっています。地域の人たちが集るからこそできるお餅つき会は、昔ながらの知恵を継承し、人々の交流の機会となっています。集落のおばあちゃんも昔を思い出す賑やかな風景にうれしそうな様子でした。毎年の恒例行事にしていきたいです!

10月の森の開放日~心身の回復 ~

今月の開放日は少し趣を変え、《日々の喧騒から離れ森の中でゆったりと過ごし心身を回復させる》をテーマにゆったりした時間を過ごしました。都市部に住む参加者を迎えて、森の中で焚火を囲み、コーヒーを飲みながら秋のスイーツを堪能します。今回のために、明宝出身で地元の素材を活かしたお菓子などを販売するKojibeさんに秋のスイーツをお願いしました。

都市部に住んでいると、人やモノや情報に溢れ、静かな時間を自然の中で過ごすという時間は中々とれません。森には、わたしたちを癒し、健康に導く力があることが実証されており、科学的な証拠に裏付けされた森林浴は「森林セラピー」と呼ばれています。森林セラピーの専門家ではありませんが、森の中で過ごすだけで、ふっと深い深呼吸をしたような清々しい気分になったり、ゆったりした気持ちになったことがある人は少なくないのではないでしょうか。

紅葉が始まったばかりの木々を眺めながら焚火を囲み、特製のスイーツとコーヒーを堪能しゆっくりとした時間を過ごしました。

賑やかに遊ぶ森も楽しいですが、こうしてゆっくりと過ごすのも森を知るよい時間です。森の中は実は《静寂》に包まれているわけではありません。葉の揺らぐ音、鳥の鳴き声、川の水の音など様々な音に溢れていることに気づます。森の恩恵に感謝しながら森にお返しができる取り組みを今後も続けていきたいです。

9月の森の開放日~五感を使って秋を体験しよう~

芋掘りをする様子

9月は《五感を使って秋を体験しよう》をテーマに森の開放日を実施しました。集まったのは明宝地区に住む親子3組、総勢11名。年少から小学低学年の子供たちも顔見知りということもあり、にぎやかにスタートを切りました。今回は、畑で芋掘り、森で火を起こして炊き込みご飯、焼き芋を作るという五感をフル活用して秋を堪能します。

まず初めに今日一日の流れを説明、全員でやることを確認。その後、各自持ち寄ったお米をといで、準備しておいた具材をみんなで投入して炊き込みご飯の下準備を行いました。

その後は畑に移動し芋掘りを行います。大人が芋づるを刈り取り、子どもたちがスコップや手を使って芋を掘っていきます。無農薬で育てたさつまいも、中々の大きさです!

掘ったサツマイモを洗い、新聞紙とアルミホイルに包んで焼き芋の下準備を行った後は森に向かいます。この集落に住む子供たちは率先して道案内。森の中をどんどん進んでいきます。森では開けた場所で火を起こし、焼き芋とロケットストーブでまぜご飯を炊いていきます。待ち時間はみんなでリズム遊びをしたり、かけっこをしたりそれぞれ思いのままの遊びました。

完成した焼き芋と炊き込みご飯は格別おいしく、普段は好き嫌いの多いという子供もたくさん食べてくれました。

『めいほうマルシェ2024』出店

明宝公民館主催の「めいほうマルシェ2024」にて、《爽 sou》《こっぱ工房》《ものづくり工房ななしんぼ》《長良川カンパニー・完熟堆肥プロジェクト》のユニットでブースを出店し、明宝でとれた鹿革を使った雑貨、さまざまな木でできた積み木、善兵衛桜の枝を使ったお皿など、豊かな《めいほうの森の恵み》をつかった商品の販売を行いました。#地球環境基金

会場ではこっぱ工房のこっぱさんの自由に遊べる《積み木コーナー》も出前させてもらいました。子どもたちが自由な発想で積んだり並べたり作ったり壊したり! とっても賑わっていました。
《カブトムシ》じゃんけん争奪戦でゲットしたカブトムシを森に見立てた積み木の森のなかで遊ばせる子どもたち。

ななしんぼワークショップブースでは、森の入り口企画として、身近な木の葉っぱや草花を使った《たたき染めワークショップ》を開催。コミュニティセンター周辺の森で植物を探しから、たたいて布や紙に植物の色をうつす(いただく)工程を体験してもらい、子どもたちだけではなく大人も草花の色が色鮮やかにうつし出されていく過程を楽しみました。
「この葉っぱが色が出やすい! これは出ない! お花は色が変色しやすい!」 などたくさんの発見を繰り返しながら完成した作品は唯一無二! たたき染めを通して、「この葉っぱはなんだだろう?」と身の回りにある草花を見る目を養えたり、身近なところにある豊かな環境を実感してもらえたらうれしいです。

雨の合間の奇跡的な1日。地元の方を中心にたくさんの人が集まり大盛況なマルシェでした。地域や子どもたちの《やりたい》を実現し、イベントを主催してくださった明宝公民館主事の皆さま、ありがとうございました。

月刊めいほう9月号より

7月の森の開放日~竹を使って遊ぼう~

竹を加工する子どもたち

7月の森の開放日のテーマは《竹》です。放っておくとどんどん増殖してしまい、森にとっては少し困った存在の竹ですが、昔から生活と密接に関わり、なくてはならない存在です。そんな竹を山から伐り出し、みんなで道具作りと流しそうめんを行いました。

事前に大人たちで伐り出しておいた竹を、講師である建具職人の村瀬さんに教えてもらいながら、おちょこやお皿、お箸に加工しました。色んな道具に加工できでしまう竹、すごいです。

同時にかまどでは、薪を使って火を起こし、流しそうめん用のそうめんを茹でる作業。とにかく暑い…汗だくになりながらなんとか人数分のそうめんを茹でましたが、勝手が分からずそうめんが柔くなりすぎるというハプニングもありましたが、そんなこともお構いなしで畑で採れた薬味もプラスし、自分たちで作ったお箸やお皿を使い、子供も大人ももりもり食べてくれました。

午後からは森を抜けた先にある栃尾の川で川遊びも行いました。子供たちが飛び込みに挑戦する姿や対岸まで一生懸命泳ぐ姿に感動したり、川の中の生き物を探したりと思い思いに遊び、暑さで火照った体もすっかり涼んで解散となりました。

自然の恵みをたっぷり満喫し、自然への感謝の気持ちを育めた一日となったのではないでしょうか。8月の森の開放日はお休みとなりますが、9月の開放日もぜひお楽しみに!

月1回 森の開放日始めました!

ななしんぼが取り組む「めいほう学ぶ森プロジェクト」では、里山と森の環境整備だけではなく、森づくりを通して遊びながら学んだり、観察するプログラムづくりを行っています。豊かな森を次世代に引き継いでいくためには、さまざまな世代・人たちとのつながりが必要です。森の開放日では、季節に応じた自然体験や環境整備などを通して、学びながら、遊びながら、楽しみながら、子どもから大人までたくさんの方々に森や里山づくりに関わっていただければと思っています!

第1回目は、アウトドアガイドの由留木さんに茶摘みと釜炒りを教わりました。明宝地区では今でも古来の製法を受け継ぎお茶を自給自足している家が残っているそうですが、なかなか教えてもらう機会がありません。田んぼの石垣などに植えられたお茶の木の新芽を摘み、火お起こして鉄鍋で炒り、筵(むしろ)で手揉みをするという一通りの工程を体験しました。お茶の葉っぱが釜炒りして香ばしいお茶のいい香りに変わる瞬間は驚き!子供達もたくさん参加してくれ、賑やかな開放日となりました。

子どもたちが集まってお茶摘みをしている
蓆で行ったばかりの茶葉をもんでいる様子
Photo: @matatabiworks_jp


次回6月の開放日は29日(土)を予定しております。この日は公民館主催の「めいほうマルシェ2024」がめいほうコミュニティセンターで開催されます。ななしんぼも出展させていただいており、「たたき染め」のワークショップを開催します。その際に使う資材(葉っぱなど)を森を散策しながら集めます。ぜひご参加ください!

(進藤)

森の道づくりに挑戦!

9月、明宝の源流域水沢上で《森づくり》イベントが開催されました。
この森づくりは、一般社団法人長良川カンパニーが主催する源流遊行祭のなかで行われました。講師は、「環境土木研究所」、「NPO法人 地球守」を主宰する『よくわかる土中環境』(PARCO出版)などの書籍で大地の通気浸透性に配慮した伝統的な暮らしの知恵や土木造作の意義を広める高田宏臣さん。

源流で遊びながら何ができる?気持ちいい森を守るためのはじめの一歩>>>

ななしんぼメンバーも参加し、「古くて新しい環境土木と植樹」について、おおいに学んできました。
これまでの《植樹》とは違う、森づくりにわくわくすると同時に、職人の技のようなものを感じ、何度も繰り返しやってみて、身に染み込ませていくことが必要だということもわかりました。

気持ちを新たに、わたしたちの《まなびの森》でも、この知恵と技術をつかって水の流れを読んだ《道》づくりを始めました。

身近な資源、稲藁や落ち葉、竹炭や籾殻くん炭!
これまで準備してきたものが役立ちます。

皮付きの木杭をその場で調達!
しがらをつかって、実生の木をガードして道をつくっていきます!

道が少しずつできていき、子どもや親子を呼び込んだワークショップを行なっていくイメージも湧いてきました!(こば)

森の恵みで《しめ縄づくり》

ものづくり工房 ななしんぼで正月やわい《しめ縄づくり》を行いました。

ものづくり工房では、森や里山のめぐみをつかう手しごと勉強会(地球環境基金)を開催しています。
今年の締めくくりは、年神様をお迎えする準備、しめ縄づくり。

今年の稲藁と、森や里山の植物たちを集めて行いました。

藁をたたいたり、左縄をなったり。
奮闘しながらも、年々腕をあげていく、笑いの絶えないひとときとなりました。

(里山)稲藁/南天/五葉松
(森)スギ/ヒノキ/ヒカゲノカズラ

♯地球環境基金 ♯森の恵み ♯手しごと

生ごみと地域資源で作る「完熟堆肥づくり」に挑戦!

地球環境基金の助成を受けた「学ぶ森プロジェクト」では《地域の資源循環》を目指しており、その一環として、コンポストを取り入れていく予定です。その中で出会ったのが、郡上市で一般社団法人長良川カンパニーが取り組む《源流の完熟堆肥づくりプロジェクト》です。

郡上の豊かな川を次世代につなぐために2021年にスタートしたプロジェクトで、生ごみから畑に適したいい堆肥を作ることによって、山や川、そして海までも再生していくことを目標に掲げています。

生ごみの堆肥化!「完熟堆肥」プロジェクト | [岐阜県郡上市]アウトドア専門の観光WEBサイト – GUJO Outdoor Experiences (tabitabigujo.com)

完熟堆肥は、生ごみを地域で集まる有機資材と混ぜ合わせ、微生物の力で効率的に分解・発酵・熟成させて作っていきます。生ごみの管理を徹底し、腐敗させずに高温発酵させ分解することで成分が安定するとともに、病原菌や雑草の種子を死滅させ安心安全な有機堆肥となります。

完熟堆肥をつくる上で重要なのが、窒素資材(もみ殻)、炭素資材(米ぬか)、微生物資材(落ち葉)、ミネラル資材(壁土)を配合するCNBM分類と呼ばれる資材の配合割合です。この仕組みは農林水産省が定める「農業技術の匠」に認定された橋本力男さんが体系立てたもので、有機物を分解する微生物の活動を支え、60℃以上で高温発酵する特徴があります。そのためには、堆肥になるまでの過程で定期的に切り返しや水分調整が必要となります。今回は、その切り返しと水分調整の過程を一緒にやらせていただきました。

ゴム手袋をつけて発酵途中の堆肥を団子状に丸めて、その崩れ具合によって水分量を見ているところ

完熟堆肥づくりは切り返しや水分量の調整などの品質管理や完成までに長い時間がかかることなど大変なこともありそうですが、《源流の完熟堆肥づくりのプロジェクト》は参加メンバーも徐々に増え、活動自体も堆肥づくりにとどまらず教育分野にも幅を広げています。

里山の中心は《田んぼ》。田んぼから出る、籾殻やくん炭、米糠! すべてが再び、土へと戻っていきます。

同じ規模では難しいかもしれませんが、私たちのプロジェクト内でも小規模に完熟堆肥づくりを作っていくことができれば、農や食にも新しい循環が生まれる可能性があり、実践していくのが楽しみになりました。

(ななしんぼ・進藤)

竹炭づくりに挑戦!

完成した竹炭

長年里山で培われた知恵や知識は、現在取り組んでいる地球環境基金の助成を受けた「学ぶ森プロジェクト」のゴールの1つである《地域の資源循環》という視点からも引き継いでいきたい大切な地域資源です。

土中の環境を改善していくのに欠かせないという《竹炭》づくりに挑戦します。

地域で尊敬され、亡くなる直前まで炭を焼いていた伝説的な存在の地域の長老が使っていた場所と半分に切断したドラム缶を使用させてもらいました。

自給自足の生活を送りながら林業や自然体験事業(another home gujo) を行う由留木正之さんに指導してもらいながら、竹を切ることから始まります。 鋳物製の竹割り器を使って竹を細く分割していくのですが、器具自体が重くてコツをつかむまでに時間がかかりましたが慣れればそんなに難しくありません。

鋳物製の竹割り器を使って竹を細く分割している写真

実施したのは7月。暑い中汗だくになりながら割った竹を並べ、火を点けていきます。

ドラム缶の中に切った竹を入れて火をつけているところ

火が勢いよくなってきたら蓋をして密閉してしばらく放置します。その後、水をゆっくりかけまわし、沈熱させ、完成した竹炭がこちらです!

完成した竹炭

たくさん竹を投入しましたが、完成した炭の量は思ってたより少ないです。

今回私たちは森の土中改善に使う予定ですが、この竹炭、利用方法は様々。そのためにはもっとたくさんの竹炭が必要となるので、今後も教わった方法で竹炭づくりを継続していきます。

(ななしんぼ:進藤彩子)