学ぶ森プロジェクトでは、森を広葉樹へと転換していくために、これまでさまざまな環境整備に取り組んできました。
今回挑戦するのは苗木を育てるための大切な土となる「落ち葉堆肥」づくりです。これは森の中で自然にできる腐葉土と同じ仕組みですが、自然分解に任せると長い時間がかかります。そのため、資材を混ぜ合わせて発酵を促し、人の手で堆肥を育てていきます。
仕込み作業
仕込み作業のスタートです。使うのは、地域の方々の協力で集めた落ち葉。地域で集まった資源を、もう一度地域で循環させます。
使用する資材は、落ち葉・米ぬか・壁土・もみ殻。配合は 8:1:1:1 です。
① あらかじめ落ち葉を湿らせておきます
② 落ち葉を広げ、その上に米ぬか・もみ殻・壁土を均等に広げます
③ 全体をよく混ぜ、水分を約60%に調整します
④ 山の形に積み上げ、カバーをかけます
その後は、定期的に切り返しと水分調整を繰り返しながら発酵を促します。堆肥の温度が40℃以下になると、ゆっくりと熟成の段階へ入ります。

完熟するまでにかかる時間は、およそ1~2年。時間をかけて、森の土へと育っていきます。
用途
落ち葉堆肥は「堆肥の王様」とも呼ばれ、ミネラルが豊富なのが特徴です。野菜づくりに使うと風味が良くなるとも言われています。さらに、造園や老木の樹勢回復にも活用されるなど、幅広い用途があります。pH5.0~6.0のやや酸性の堆肥のため、アルカリ性に傾いた土壌の改良にも役立ちます。自然の恵みがぎゅっと詰まった、土づくりの味方です。
苗木づくり
苗木づくりを専門に行う方に、苗木づくりのポイントを聞きました。
- ポットの土は落ち葉堆肥(腐葉土)+炭+燻炭(8:1:1)で配合
- どんぐりは乾燥させず、拾ったらすぐ水に浸す
- 水に浮いた実は取り除き、翌日ポットへ植える
- 1ポット2本程度に密植した方がよく育つ
- 雑草は取りすぎず保水に活用
- 小さい苗は切り株の横に植えると定着しやすい
- 鹿害地域では畑で育ててから植樹するといい
落ち葉堆肥が完成するまでには長い時間がかかりますが、自然のサイクルから見ればほんの短い時間です。苗木が育ち、森へ還るまでには、さらに長い年月が必要です。自然の時間と人間の時間の流れは少し違います。それでも、ほんの少しでも森の循環を取り戻す手助けができたらいいなと思います。
